【松本朔太郎の話file1
最初は夢か何かかと思った。
でも、その綺麗すぎる顔立ちで間違いないと思った。
職場の新入で、俺はそいつを知っていた。
職場で2人きりになった時思い切って聞いてみた
「遠藤くんさ…なんか悩みとかある?」
ビクッと驚いた反応をした後、小さな声で「ないです」と言われた。
遠藤…そいつは界隈では有名は人だった。
俺は食っていくために春山街で売っていた時期があり、そいつらの中で人気が高く、映像も出回っていた。
映像を見てわかった、演技ではない、と。
今大丈夫なら余計なお世話だが、もし今も支配され、苦しんでるなら助けたいと思った。
たまに袖から見える傷が日に日にひどくなっているのがわかった。
俺は決心をした。
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